趣旨:
崔承喜という朝鮮人女性について知っている人は、現代の日本では少ないかもしれません。彼女は1930年代、舞踊家として朝鮮・日本のみならず、ヨーロッパや南北アメリカでも公演を行った、世界的スターでした。解放後は、北朝鮮で活動し、朝鮮舞踊の教育に大きく貢献したほか、中国・ソ連などでも踊りを披露しています。
彼女についての注目が近年ふたたび高まっています。12月末には、彼女の生涯を題材にした一人芝居「母 My Mother」が行われる予定です。
彼女の芸術活動やその生涯について学ぶことは、まだまだ日本で紹介されていない、朝鮮・韓国の歴史や文化の理解を促すことになるはずです。また、在日コリアンの舞踊にも影響を与えている彼女の舞踊は、マイノリティや移民の文化継承のあり方、多文化共生や歴史問題の和解を考えるうえで、重要なヒントを与えてくれるでしょう。
以上のことから、今回、崔承喜について関心を持って学んでこられた方や、日韓の演劇交流、朝鮮舞踊の教育等に携わって来られた方々をお招きして、シンポジウムを企画いたします。多くのIHSプログラム登録院生の参加を呼びかけます。
日時:12月5日(日)16時~19時(予定) オンラインシンポジウムとして実施
第1部:20世紀の朝鮮の歴史・在日コリアンと崔承喜
河正雄氏:「崔承喜と在日コリアン」
イ・ビョンジョ(カザフ国立大准教授)「1950年代の中央アジアのコリアンと朝鮮の芸術」
(事前に撮影のビデオで参加予定)
第2部:演劇・舞踊とコリアン文化
司会:外村大
登壇予定者:みょんふぁ氏(女優、「一人芝居 母 My Mother 」を企画、出演)、西堂行人氏(演劇評論家・明治学院大学教授)など。
主催:
東京大学大学院多文化共生・統合人間学プログラム(IHSプログラム)、科研費・新学術領域研究「市民による歴史問題の和解をめぐる活動とその可能性についての研究」(代表・外村大)
参加申し込み:
参加希望者は下記のメールまでご連絡ください。折り返し、ZoomのURLをお伝えします。
info@ihs.c.u-tokyo.ac.jp