名古屋研修

―全国こども福祉センターの街頭募金活動の体験と感想―

IHSプログラム修士1年 ザファルマンド・フロッサダト

・研修の流れ

 2025年1月11日から12日にかけて、梶谷教授が企画した名古屋の研修に参加した。参加者はIHSプログラムからのM2の学生2名及びM1の学生計三人であった。1月11日は東京駅を出発し、午後に名古屋駅に到着した。全国こども福祉センターの事務所へ行き、街頭で募金活動と声かけをする準備をした。夜は名古屋駅の交番前で着ぐるみを着て募金活動をした。募金活動が終了した後は事務所へ戻り、募金活動に参加したメンバーと夕食を食べ、その後ゲームやおしゃべりをした。翌日1月12日は、午前中にホテル付近のカフェで振り返りをし、その後各自自由解散となった。

・街頭で行った募金活動について:実体験と感想

 街頭で募金活動を行う際は、着ぐるみを着用し手人形も身につけた。着ぐるみを着て行う募金活動に参加したメンバーは学生や社会人、年齢も未成年から大人まで幅広いメンバーがおり、誰しもが参加しやすい雰囲気であった。本活動に参加するようになったきっかけや動機も様々であり、違いが認められている馴染みやすい環境であった。着ぐるみの着用は必須ではなく、着用する事を希望した場合も好みの着ぐるみを選ぶことができた。街頭での募金活動の時間帯は17時〜20時までであったが、最後はまでいられない人や最初から参加できないメンバーも自分の予定の時間に合わせ途中参加他中退会することが許されていた。このように、個人の自由が尊重され認められながらも他者と共に共同活動ができる環境が実現されていた。

 そして、着ぐるみを着用することで個人の見た目や顔が特定されにくく、皆同じように見えることも活動への参加しやすさに関係していると感じた。また、荒井氏自身も考える通り(2019)、着ぐるみを着用することのもう一つのメリットは、着ぐるみそのものが注意を引くものであるため、通行者の目を惹きその人々が興味を持ってくれるきっかけになることである。更には、着ぐるみを着用している人がいることと手人形が使われていることにより、子ども達が興味を持ち楽しみ、子ども連れの通行人もそれにより興味を持つきっかけになる。目につきやすいキャラクターや着ぐるみを使うことによって親しみを感じさせるケースは他にも身近に存在する(地下、2013)。

・街頭での募金活動終了後の交流会について:実体験の感想

街頭で着ぐるみを着ながら行った募金活動が終わった後は、参加メンバーは事務所に戻り、夕食を一緒に食べた。夕食をその場で調理したのは参加メンバーの一人であり、他の参加メンバーは食器の準備をしたりゲームをしたりした。また、一部のメンバーは積極的に準備や後片付けに協力し、その際に会話をしながら仲を深めることができた。

 個人的には、片付けをしていた際に理事長の荒井氏と話すことができ、本団体及びこのような活動を始めようと思われた動機や背景について伺うことができた。荒井氏が述べた点として興味深かったものは、児童相談所等の施設においては、支援者と支援の対象が明確に区別されており、支援の対象や施設利用者は常に上の立場から監視されているため不自由を被る状況に置かれてしまう。それに対して本活動においては、支援者と支援の対象となるものの間に上下関係等はなく、誰でも活動に参加しやすいと思うような特徴がある。実際当初は支援の対象であったがよくよくは自分も活動に参加するようになったと述べたメンバーも存在する。この点は、東京都新宿区歌舞伎町で行われている日本駆け込み寺の活動と共通している事であると考えた。支援者と支援の対象との間に大きな壁が存在しないことで、親しみやすい環境が生まれ結果的に信頼関係が作りやすい状態につながっているという現象を両方の団体とそれらの活動から感じ取ることができた。いずれの活動に関しても、ボランティアが共同関係の中で行われる性質(大藤、2016)という事が、支援者と支援の対象が近い関係にいるという点から伺える事ができる。

参考文献

  • 荒井和樹(2019)『子ども・若者が創るアウトリーチ: 支援を前提としない新しい子ども家庭福祉』せせらぎ出版
  • 大藤文夫(2016)「ボランティア論再考―共同関係に着目して―」『 社会情報学研究』、 21、63-75
  • 地下雄大(2013)「ゆるキャラ 「くまモン」 のブランド構築についての研究」『商大ビジネスレビュー』、 2(2)、 97-112