在籍/修了 |
在籍 |
入学年度 |
2018-04 |
研究科 |
学際情報学府 |
専攻 |
学際情報学専攻 |
コース・系等 |
文化・人間情報学コース |
留学生/社会人 |
留学生 |
研究課題
戦争映画における歴史認識
ーー戦争を日中両国の視点から捉えるためのデジタルコンテンツ
参加動機・キャリア構想
・参加動機
私は母国の中国において、小学校から授業と課外活動を通じて「愛国教育」を受けてきた。愛国を題材にした唱歌を歌い、「抗日」を題材とした映画を鑑賞し、様々な抗日記念館を見学してきた。日本の一部の評論家は、日中関係が悪化した原因は、中国で実施されているこうした「愛国教育」にあると主張している。一方中国においては、日本の原爆をテーマとした「平和教育」について「自作自演の弁解」であると批判されている。
このように、歴史観・平和観の相違とコミュニケーションの不足がもたらす誤解が、日中両国における国民感情の悪化をもたらしていると言えよう。こうした状況を改善し、両国民が平和に対話できる状況をつくりだすためには、お互いの歴史観・平和観を相互に知り、理解しあうことが重要だと考えられる。
私はこれまでに、日中戦争を両国の視点から捉えなおすために、両国における戦争映画の比較研究を行ない、それに基づくデジタルコンテンツを制作してきた。映画の公開時期,レビューの情報を,舞台となった地域にあわせてデジタルアースにマッピングすることで,以下の4点が明らかになった.(1)すべて,戦争における自国の被害を表現した作品であること.(2)歴史・社会環境の変化につれて,映画のメッセージが変わってきたこと.(3)作品をレビューにおいて価値観の一部は共通しているとはいえ,両国民が日中戦争の歴史を相対化することは困難であること.(4)幾つかの要因によって,日本において得られる中国の映画作品に関する情報は少ないこと.
この研究を深めるために、莫大な映画のレビュー情報を分析して、またこの成果を活用して,日中両国の歴史観・平和観の相互理解を促進する手法について,実践的に研究していく必要がある.しかし、現在の自分は社会科学や日本語によるクリティカル・シンキング能力が不足していることを認識し、自分には、メディア研究と情報分析について大学院で十分に学習と経験をしつつ、本プログラムを履修することで、学際的・国際的領域としての統合人間学を修め、また東アジア大学院生とのワークショップ通して、様々な分野と視点から、歴史認識におけるコンフリクトの解決の道をさぐる。
・キャリア構想
「戦争映画から分かる日中歴史観・平和観の共通点と相違点」だけではなく、情報社会における異文化間コンフリクトの原因をデータマイニングなどの現代手法で分析して研究を行うことや、多文化共生を考える前に、異文化間コミュニケーションでの違いと誤解を直面して考え直すことなどの方法論を伝えたいと考える。
そのために、博士課程を修了した後、大学の教員になて、学校で教えながら、研究を続けたいと考える。例えば情報分析を教えるために、「日中の戦争映画とそのレビュー」を一つの例としてあげる。
また、研究成果を活用して、日本と中国の平和教育現状を変わることは難しいとしても、個人レベルで、なるべく多くの多くの大学に。
青少年の歴史認識の形成及び影響要因は「社会教育」(映画・テレビ番組・ニュースなど)であることを明らかにする。
キーワード
戦争映画, 歴史認識, 日中韓, 平和教育ステータス
修士1年