●イベント実施日程
9月19日(土)11:30〜19:00
オンライン開催
OFFLABEL 運営(イベント実行)
髙田玲奈 (IHS メジャー生)
南希宙 (IHS サブメジャー生)
飯塚陽美 (IHS メジャー生)
趙誼 (IHS メジャー生)
佐藤 寛紀 (IHS サブメジャー生)
IHS 6期生が中心となって立ち上げた学生有志団体OFF LABELは2020年9月19日(土)にオンラインイベント、はじめてのオンライン学会〜問う、集める、育てる、伝える〜を開催した。本イベントは2020年1月に開催した「はじめての学会」の第二回として位置付けられるが、今回のイベントは学外での運営サポートを受けたため、一部有料生とし、完全オンラインで実施した。講演者を招いた三つのトークセッションの他、大学生・大学院生がライフストーリーを交えて誰でもわかる形で研究を発表するセクション、そして最後は対話型のワークショップを行なった。
今回OFF LABELはパナソニック株式会社、株式会社ロフトワーク、カフェ・カンパニー株式会社が協業して誕生した実験区「100BANCH」のプロジェクトとして採択され、三ヶ月間の準備の際に利用したミーティングスペース、配信、会場、設備など多大なサポートを受けた。外部での実施に伴い、資金を工面するにあたりなpeatixを用いたチケット制を採用し、謝礼や広報に伴う費用を捻出した。学外での実施理由としては、大きく2つあり、一つは長期的な活動を想定した団体の自立のため、そしてもう一つはターゲット層を広げたいと考えたからである。前回のイベントはIHSのサポートによる実施であったため副題を「大学院オープンキャンパス」とし、ある程度学問や研究、大学院に興味がる層をターゲットとした。しかし、OFF LABELが目指すこととしては、より社会一般に学問・研究のワクワク、楽しさを伝えることである。よって、学内からのアプローチでは限界があると感じていた。過去の100BANCHのプロジェクトには障害者アート、環境問題、政治への関心など様々なテーマの課題を解決するためのプロジェクトが採択、実施されてきた。その数は100を超え、一つ一つのプロジェクトが課題を掲げ、それに向かってイベントや商品のプロトタイプ作りを行う。これらのプロジェクトは既存の社会に対して自らの眼差しから「問い」を見つけ、それに対して独創的な方法で解決やアウトプットを模索しているものがほとんどであり、「研究」という行為に非常に近いものを感じた。また、100BANCHプロジェクトを応援する人々は「問い」や「既存の社会を変えるために動いている人、プロジェクト」といった、より大きな枠組みでの関心を持っている人が多く、そういった層を取り込めるのではないかと考えた。実際に、OFF LABELのウェブサイトで配信しているメールマガジンの登録者やイベント参加者にはより広いバックグラウンドを持つ人々が集まった。
次にイベントの内容であるが、IHSに関係する東京大学の教授やIHSの所属生、修了生にトークセッションなどに出演していただいた。前回のプロジェクトからサポートしていただいている、 東京大学大学院総合文化研究科教授、梶谷真司先生をはじめとし、明治大学理工学部准教授・鞍田崇先生をお招きし、自分の興味・関心を「問い」に昇華することをテーマにお話していただいた。さらに、IHSの先輩として、株式会社 ZOZO テクノロジーズにて研究員として働く藤嶋陽子さん、UiPath株式会社ソリューション 本部所属のヴルーベル・マルチンさんをゲストにお招きし、アカデミアの外から見つめた「学問・研究」や「大学院」という場についてお伺いした。また、IHSが度々研修に伺っている総合地球研究所の
総合地球環境学研究所教授、阿部健一先生にも研究の「アウトリーチ」をテーマに環境問題をわかりやすく解説するエバイロメンターテイナーのWoWキツネザルさんとともにお話しいただいた。イベントの詳細は100BANCHプロジェクトイベント報告書にて詳しく記載している。(https://100banch.com/magazine/28558/)前回同様、梶谷先生にはイベントの出演からサポート、最後のワークショップまで非常に手厚いサポートをしていただいた。また、IHSの先輩で、自身の研究を社会に開いた形で還元していらっしゃるお話を聞くことができ、主催者としても非常に学びの深い時間であった。
最後に、今回オンラインでの開催にあたり、多くの不安を伴った実施出会ったが、講演者をはじめとする皆さまのサポートがあってこそ実施することができた。この経験を生かし、今後も、ウェブサイトの更新をはじめとし、継続的に小規模のイベントを実施したいと考えている。
文責:高田玲奈
OFF LABELとは:
私たちはIHSの理念でもある、研究を通じた社会貢献と多元的共生の諸課題解決に向けて、OFF LABELを立ち上げた。学問や研究の力を通じて、人々や組織、国や地域に貼られた、様々な負の「ラベル」を取り払ってゆくことを目的とする。今後、市民参加型イベントなどの継続的な実施を通じて、多文化共生社会構築に寄与していく。