「探求→究する家」(たんきゅうするいえ)の活動について

中川亮・田邊裕子・ピーピョミッ

 言葉と思考を通して何かをより深く知ろうとする営みを、私たちは「たんきゅう活動」と呼び、「たんきゅう心」でつながるコミュニティを作りたいと考えています。

 日々のくらしのなかで、私たちはさまざまな違和感・疑問や生きづらさに出会います。ふだんは、そのようなもやもやとした(しかし、ときには強烈な)感覚について考えることをつい後回しにしたり、気にしないようにしたりすることもあるでしょう。あえて深く追求せずにおくことは、くらしの知恵でもあります。

拠点となる木造家屋「北村荘」(改修前のようす)

 それでも、私たち「探求→究する家」のメンバーは、そうした感覚にじっくりと向き合って互いに言葉を重ね、思考するプロセスが重要であると考えています。深く自身の経験や感覚を見つめること、そしてそれを他者の経験や感覚との違いのもとで捉えなおすことは、互いの差異を認めつつ同じ場を共有しながらよりよい生活圏を築く前提となるからです。

 こうした思いのもと、北池袋の古い木造家屋を拠点として、2020年の6月ごろから「探求→究する家」の活動を始めました。活動にあたっては、IHSで得た人間関係や、北池袋を中心に活動する「かみいけ木賃文化ネットワーク」との協力関係を活かし、学術的な人脈のみに依拠しないような団体運営を心がけています。

 主な活動内容は、1) 拠点となる木造家屋を「たんきゅうコミュニティ」のシェアスペースとして提供すること、2) そのコミュニティが様々な生活課題と向き合う土壌となる各種イベント等を開催することです。後者では、政治、芸術、エスニシティ、ジェンダー、家族、仕事と研究など、多様なテーマのイベント(上映会・読書会・ワークショップ・講演会のようなものなど)を企画しています。また、並行して、多言語フリーペーパーの発行、地域に住む外国出身者や地方出身者を地元住民とつなげる料理教室の運営、地域を舞台とした謎解きイベントの実施、ライフヒストリーに基づく池袋史の記述なども計画しています。その他、より具体的な活動内容については、以下のリンクをご覧ください。

北村荘の内観(改修後のようす)

関連リンク

1)「探求→究する家」ウェブサイト

https://tankyusuruie.wixsite.com/home

2)「国内助成プログラム助成対象詳細:探求と対話の広場――木賃で若者と地域が繋がり思考と実践が循環するコミュニティの創出|トヨタ財団」http://toyotafound.force.com/psearch/JoseiDetail?name=D20-L-0035 

3)「国内助成プログラムの選考について|トヨタ財団」https://www.toyotafound.or.jp/community/2020/2020-0923-1223-6.html#sengo2020

4) 「かみいけ木賃文化ネットワーク」ウェブサイト

https://yamadasoukamiike.wixsite.com/mokuchinnet

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