教育プロジェクト2 共生のプラクシス ─ 市民社会と地域という思想

ユニット
「格差・人権」+「東アジア」+「ヨーロッパ」
代表
村松真理子

グローバル化時代において、共生を可能にする条件を理論的に問うことと、それを具体的な共生のプラクシスにおいて実現することの両者が結びつくことがますます重要となってきている。本プロジェクトでは、市民社会論に関する思想的な蓄積をベースにしながら、それを地域という実践的な場所に開き、市民社会から見た地域という思想を新たに構築する。これはすなわち、日本を含む東アジアとヨーロッパでの具体的事例を中心にしながら、市民社会としての多文化共生社会を切り出す試みである。

参加学生は、連携ユニットにおいて市民社会と地域という思想に関する理論的な枠組みを獲得しながら、このプロジェクトにおいて、現場に入り、現場から考え、現場を変化させてゆく構想力を身につける。

プロジェクト運営は「格差・人権」ユニット(リーダー:梶谷真司)、「東アジア」ユニット(リーダー:林少陽)、「ヨーロッパ」ユニット(リーダー:村松真理子)が中心となって行い、実際の教育は、総合文化研究科、農学生命科学研究科、東洋文化研究所が、文理融合的に行う。

プロジェクトに特有な授業例

多文化共生・統合人間学演習II (「格差・人権」ユニット)

都市と地方の格差と共存
都市と地方の間には、なぜ格差が存在するのか。それは産業構造、経済、環境、人権、政治など、様々なレベルの問題と絡み合ってきた。この演習では、担当教員が参加学生とディスカッションを行うなかで、格差という総合的複合的な問題について思想的・歴史的に考察する。課題文献の読解や、外部講師を招いての討議も企画される。農業をはじめとする産業や、共同体の特色や規模といった社会構造、さらには環境問題との関連において、都市と地方の関係を様々な角度から検討し、研究者だけではなく、国内外の現場で活躍する専門家と連携して実践的な知を共有することをめざす。

多文化共生・統合人間学演習VIII (「東アジア」ユニット)

東アジアにおける共生のプラクシス
市民社会と地域という思想を意識しながら、共生のための理論的なマッピングを、東アジアを中心に行う。担当教員が講義とディスカッションの機会を提供し、共生のプラクシスを実践している具体例を取り上げて事例研究を行う。外部講師を招いての討議も企画され、研究者のみならず、映画監督、芸術家、ビジネスパーソンや官僚、NGO勤務者など幅広く社会人の実践を共有する。

多文化共生・統合人間学演習IX (「ヨーロッパ」ユニット)

市民社会の変容と市民性の可能性
担当教員や外部講師による講義とディスカッションを行い、21世紀、世界中で注目を集める「新しい市民社会」の概念を学際的に検討することを通じて、共生のための理論構築をめざす。食・環境・農業・性差など20世紀から引き継ぐ今日的な課題に取り組むヨーロッパの実践例に注目してケーススタディを行い、行政、企業、市民活動に従事する人びとの「現場の知」を地域と共同体の視点からも共有することを試みる。

多文化共生・統合人間学実験実習II (「共生のプラクシス」プロジェクト)

  1. 市民社会と地域という思想──日本の現場
    日本の現場に即しながら、市民社会の観点から地域をどう考え、どこに開いていくのかを探る。短期的な研修旅行・プログラムとして展開される。

    具体例:食を通した共生への取り組みや新たな公共圏としての〈ふるさと〉について、現場から考える。茨城や福島、沖縄での農業実習や実地研修、他大学やNGO・NPOと連携しての実習等を計画している。

  2. 市民社会と地域という思想──世界の現場
    世界の現場に即しながら、市民社会の観点から地域をどう考え、どこに開いていくのかを探る。短期的な研修旅行・プログラムとして展開される。

    具体例:食をめぐる市民社会と地域の関係について、現場から考える。イタリア諸都市への研修旅行とワークショップ等を予定している。東アジアの市民運動の可能性について、現場に出て実践知を養う。

インターンシップ

市民社会と地域という思想に関わる活動をしている機関・団体においてインターンシップを行う。