教育プロジェクト1 生命のかたち

ユニット
「価値・感性」+「生命・環境」(協力)
代表
大石和欣

このプロジェクトは、「生命」と「かたち」という二つのキーコンセプトを通して、近代的な「人間中心主義」を超える新しい統合人間学に向けた実験的な教育を行おうとするものである。本プロジェクトでは、以下の教育内容を目標に掲げる。

  • 「生命」に関する最先端の自然科学と「人間中心主義」を超えようとする人文学のあいだに「橋」をかける。
  • 「かたち」という視点から、生物の「かたち」と建築や芸術、さらには都市にまでいたる人間が生み出す文化的構築物とのあいだを連続的な視点で見ることをめざす。
  • さらに、それらの応用として、それらの視点を、様々な文化活動の現場に還元して、新しいタイプの文化アドミニストレーションを行える人材を養成する。

このプロジェクトが養成しようとするのは、地域に根づいた多様な文化拠点において、理系の知と文系の知、理論の知と現場の知とをあわせもった人材として、現在、危機に直面しはじめている「人類」の普遍的な課題にも対応するような新しい創造的な提案ができるキュレーター、アドミニストレーター、文化アクティビスト、アーティスト、教師などである。

プロジェクトに特有な授業例

多文化共生・統合人間学実験実習I (「生命のかたち」プロジェクト)

生命のかたちとしての演劇実践
身体はどのように思考するのか。この根源的な問いを俳優の安藤朋子氏の指導のもと、身体ワークショップを通して学んでゆく。Sセメスターでは極度にゆっくりとした歩行から、虚構の時間に身を置くことで、日常生活では体得できない感覚を摑まえる。Aセメスターはエチュードを組み立て作品化することを試みる。加えて、本ワークショップの一環として南インド研修を行い、演出家シャンカル・ヴェンカテーシュワラン氏が主宰する劇場「SAHYANDE THEATRE」にて、安藤氏とヴェンカテーシュワラン氏に集中指導を受ける。研修中には、インドの演劇関係者とのワークショップ等も予定されている。(担当教員:安藤朋子、S・Aセメスター)

多文化共生・統合人間学実験実習I (「生命・環境」ユニット)

サイエンスアート実験実習
本実習では、最先端の光学顕微鏡や電子顕微鏡などを用いて、動物や植物の「生命のかたち」を細胞レベルで観察する。またそれを様々な形でアウトプットする技術を学ぶ。この講義は、夏もしくは冬の長期休暇中に、一週間程度の集中講義として開講される。(担当教員:増田茂、集中)

多文化共生・統合人間学演習Ⅰ (「生命のかたち」プロジェクト)

統合人間学の可能性に向かって
人間が世界を認識する根源的な次元として、数、言葉(意味)、イメージなどの四次元構造を仮設し、それぞれの次元の特性がどのように違うかを理解しつつ、それらを統合する可能性を展望する。自然科学がもたらした世界の根本的な理解とその技術的応用の世界において、「人間であること」はどのように再定義されるべきなのか。自然科学と人文科学さらには、芸術文化などを横断的に論じることで、本プログラムの鍵である「統合」(Integration)の可能性を追求する。(担当教員:小林康夫、Sセメスター)

多文化共生・統合人間学演習Ⅰ (「価値・感性」ユニット)

都市の生命と文化表象を踏破する
この授業では、生命体としての都市を言語構築物としての文学のなかに探し求める小旅行(エクスカーション)を試みたい。変容し続ける都市を、歩き、移動し、横断する人間の感性と身体がどう感知し、認識するのか。それらが言語表象としてどう浮かびあがっているかを、変貌極まりない19世紀のロンドンを描いた小説のなかに分け入って考察してみたい。疎外された人びと、抑圧された存在に着目することで、倒錯する都市への視線、実存的関係性を考えてみたい。(担当教員:大石和欣・Sセメスター)